華さやか試飲会
青森県の米「華さやか」をご存知でしょうか?このコメで酒が造られ始めてわずか数年、先輩格に華想い、華吹雪という米もある為、少しややこしいのも事実。使用頻度、知名度共、まだまだこれから広まっていく段階ですが、知っておくとこの先有望です。
青森の5社が東京・六本木の食のショールームに集まり、試飲会が行われました。

そもそも華さやかは、一度県の技術センターの選抜漏れ、いわゆるボツになった品種が、酒の味の多様化によって再び見直され、改良の結果使われ始めたという、少し変わった経歴を持っています。アミノ酸の少ないたんぱく質を多く含む様で、酒に雑味が出にくいのが特徴だそうです。

そのタンパク質の多さから、米粉パンにすると、他のコメとふくらみがこんなに違うそうです。

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華さやか以外の酒もあり、先輩格にあたる華想いのお酒もあって、少々ややこしいのですが、以下味を見たものは全てコメントしてあります。

以下★印が華さやかを使った酒です。
<六花酒造>じょっぱり
じょっぱり というブランド名で知られています。じょっぱりとは「頑固者」 を意味する津軽弁だそうです。

★純米酒 じょっぱり 白神酵母No.9仕込み
ややこしいですが、いわゆる協会酵母9号(熊本)ではありません。弘前大学の研究による白神山地から採取した、白神酵母の中の9号酵母を用いた酒。
甘酸っぱいヨーグルトドリンクのような口当たり。発泡はしていないが微発泡っぽい。爽やか且つ軽い口当たり。全体的に飲みやすい味わいです。

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華想い
県のまほろば吟酵母を用いたお酒で、さっぱりとしている。さらりとして華やか、後口はやや上方に切れあがる。

特別純米
口当たりはコメのボリューム感と共に、酸も感じ、すっきりとした味わい。後味はやや固く引き締まる印象。
<鳩正宗>八甲田おろし・佐藤企
以前、鳩正宗の会レポートでもご紹介した蔵です。杜氏、佐藤企さんの手にかかると、細かな旨みと後口きれいなお酒にどれも仕上がるので不思議です。

★武士道
パッケージはあのコシノ・ジュンコ氏のラベルデザイン 。華さやかを県の酵母で醸した一本。余韻はきれいに流れ、口当たりは引き締まっているが、後口の繊細さは佐藤さんらしい上品な味わい。

★八甲田おろし 特別純米酒 華さやか ブルーラベル
60%精米の華さやかを1401(金沢系)酵母を使い仕上げる。ハーブのような香ばしい風味。酵母由来のややすっきりと引き締まって余韻にかけて透明感のあるまとまり。これも余韻にかけて飲みやすくも、上品にまとめられたお酒。

★HATOMASAMUNE いちごのお酒リキュール
華さやか60%をワイン酵母で仕上げ、十和田産のイチゴのペーストを混ぜたもの。糖分などは無添加のため、リキュールといってもほとんど甘みはなく、イチゴの酸がきれいに出ている。
<八戸酒類>八鶴・如空
五戸の如空と八戸の八鶴というブランドを別に造る大手です。比較的横の幅が出やすいふくよかなお酒が多いと感じました。

★八鶴 夏の純米 生貯蔵酒
細かい米の味、ごく軽い苦味がアクセントとなり、口当たりよくクセなく飲める。

八鶴 濃醇 超辛純米酒 剛酒
芳ばしさ、辛さ、後半にかけてボリュームがある。クラシカルで個人的には燗にして飲むべき酒。

はちつる 純米吟醸 無濾過生
マスカット様の香り(カプロン酸エチル系)、華やかな香りがする。後口少しピリピリとして引き締める。比較的モダンなタイプ。


玄空 純米吟醸
コメのとろみがある。良い意味で煌きのあるアルコール感、ハリがある。
如空 ふくよか純米酒 山廃仕込み
口当たりすっと入り、穏やかでまろやか、まとまりととろみのあるお酒で、適度な深みを感じる。

 

<尾崎酒造>安東水軍
昨年若くして蔵を継がれた尾崎大さんが仕込み、これから益々良くなっていきそうな安東水軍で知られる蔵。後口の味わいが細かく、丁寧な造りが見て取れます。

安東水軍
本醸造
この蔵の酒の中では、最もクラシカルで解けたコメの風味が広がる。決してクドくはないので、ぬる燗位で飲むのがお奨め。

大吟醸
派手な香りや甘みはないのですが、細やかで華やかな香り、ほっそりとして透明感があり流れるように続く舌触りは、上品さと丁寧な造りが垣間見えます。冷酒で会席料理の最初に出てくるセンスがよさそうなお酒です。
特別な機会に、相手を選ばず開けられる、安心の一本でもあります。

山廃
こちらも派手さはなく軽快な旨味と比較的きめ細かいタッチ。野暮ったく重いスタイルではなく、香ばしさ厚みもわずかに取れる程度でバランスに秀でている。
<鳴海醸造店>稲村屋・菊の井
稲村屋・菊の井という銘柄を仕込む、200年以上続く蔵です。ちなみに千葉の「鳴海(なるか)」とは関係ありません。

★菊の井 純米吟醸 華さやか
甘みが控えめで、きれいでずっと後口にハッカやメントールのようなアクセントがわずかに出ます。すっきりとしてピリッとした軽いアクセントが出ます。

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稲村屋 純米吟醸
軽く甘酸っぱい風味から軽いキレ広がりが出ます。全体的に飲みやすく、嫌いな人が出にくい穏やかなお酒です。

特別純米
口当たりはさっぱりして、やや薄さが気になりますが、温度が上がると後味のキレ、ボリュームが出てくるので冷(常温)から燗にするか、開栓後少し時間を置くほうがよさそうです。いずれにせよ細やかで上品なお酒です。

 

 

数種類だけとはいえ、比べて飲んでみると、総じてきれいで、初心者受けもしそう、活躍の場もありそうな米だと思います。個人的には華想いを使った酒も好きなので、共に今後の展開には注目です。

 

最後までお読み頂きありがとうございました!

 

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