和酒フェスイベント説明に引き続いては、いつも通り試したお酒のテイスティングコメントです。
205種類もありましたので、ランダムでお味見させて頂いた21種類+1
多酸酵母に五段仕込み、同じ蔵で秋上がり・冷おろし飲み比べなど、なかなか味わえない個性はも多く、今の日本酒の「幅」を見るにはこの上ない機会でした。
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河武醸造 鉾杉
弓形穂 しずく 純米吟醸
他では使用されていない酒造好適米。フルーティーで細かい酸、キレがあり飲み心地良くスムーズです。口当たりよく、広い温度帯で使えそうです。
山廃仕込 純米酒
こちらは真逆で濃醇、昔ながらのしっかりと厚みとコクのある山廃。個人的にはぬる燗以上の、高い温度でいただきたい。豚の角煮などは、特に合いそうです。
KH改良 多酸純米酒
多酸酵母を用いて醸した後に、2年熟成して出荷されるお酒。引き締まったハリのある酸味、そこに旨みがうまく乗って広がます。ボリュームはありますが、バランス良い仕上がり。これら冷やからぬる燗あたりで。きのこのマリネ、ホイル焼きなどと合わせてみたいお酒です。
中沢酒造 松みどり
純米吟醸 ひやおろし
まろやかさ、ほんの少し若さ、青さが混じります。米のフレッシュ感を後口に感じることができます。もう少し瓶貯蔵して楽しむことも出来ると思います。
純米吟醸 秋上がり
深みクリスピーさがあり、焼物や煮物にあいそうな食中酒向き。これもまたキノコに合いそうです 。個人的にはこちらが好みですが、人気を二分しそう。
川鶴酒造 川鶴
純米
まろやかで艶やか、しっとりとした中にじわりと旨味を感じます。冷で飲んでいるのに、時間がたつと余韻に燗酒のような香味が鼻腔に抜けていき、不思議なお酒です。ブースの方も、体温に近づくと酸の上がり方が変わる特徴指摘されてました。
特別純米
つるりとした円さ、艶やかさが、細やかな旨味とともに広がります。ひと口で「飲み続けたくなる衝動」に駆られる引力のあるお酒。やはり食事なら前半に持ってくるのがお勧めです。
六歌仙 六歌仙 / 山法師
山法師 純米大吟醸
艶やかで伸びがあり、すっきりまろやかさを感じます。特に透明感があり伸びがあり、雑味なく、細やかでスッキリ、優しい甘みがあります。山形の王道タイプのお酒といえそうです。
山法師 蔵の隠し酒 純米吟醸 ひやおろし
すっきりとして辛口で引き締まっています。酸はやや細く伸びあり。素材を生かし、味付けの濃くない和食にも、寄り添うことができるお酒です。
六歌仙 五段仕込
福島のロ万など、昨今4段仕込みのものが散見されますが、これはさらにもう1段米を加えたもの。その分モチモチとして丸くふっくら、米のエキスを存分に感じ、非常にハリとふくらみのあるお酒です。日本酒の底知れぬ可能性を感じることができるお酒です。
千代の亀酒造 千代の亀
ひやおろし 純米吟醸
艶やかでフレッシュ、フルーティーで、ほのかな酸味と透明感があり、ややワインっぽいイメージもあります。口当たりは細かく、旨味も広がるので幅広く使えそうな一本です。
特別純米 橙
こちらは引き締まった旨味、キレと、中心のエキスに力強さを感じます。飯米ならではのコシヒカリの幅の広さも感じます。かなり温度を上げた熱燗でも楽しめそうです。
河津酒造 花雪他
純米吟醸 七歩蛇
低温発酵で醸したお酒。透明感と穏やかながらフルーティーさがあり、雑味なくするりと飲めるお酒。淡白なお造りの邪魔もしない。懐石などにも、もってこいの酒。名前の由来は六歩目までしか立っていられず、飲み過ぎてしまう、というところからきているそう。
純米吟醸 袋しぼり
繊細で口当たり良く、非常に細やかでリッチな旨味があります。まろやかさ、ほのかな甘みを感じます。肩の力が抜け、贅沢な気分になれるような酒質です。
光武酒造場 光武
純米吟醸ひやおろし
口当たりまろやかで、柔らかい旨味、米感が適度にあり、懐の深いお酒。食べたくなったのは、なぜか揚げ出し豆腐や肉豆腐。出汁をきかせた和食が良いのでしょうか。おでんなどにも合いそうです。
小さい秋みつたけ
よく見ないと気づかないエスプリの効いたネーミング、(誤植ではありません)。秋上がりではないが、秋酒。非常に透明感がありさらりとして飲みやすい。まさに日本酒初心者にも受け入れられるパッケージと味わい。ロックで爽やかに飲んでも良さそうですし、冷やするりと飲むのが良さそうです。
鍋店 不動
試験販売 山廃純米原酒
ごく少量の試験販売だそうで、ひきしまった旨み、力強さと適度な荒さがお酒に立体感を与えています。「ボンベイバザー」さんがし出していた、蒟蒻モツ煮込みがこの上なく美味しくなるお酒でした。お燗にしておけば、さらにうまみが広がったことでしょう。
井上酒造 箱根山
純米吟醸
とても落ち着いた、穏やかで飲みやすいお酒。さらっと入り、引っ掛かることなく流れていきます。派手さはありませんが、こういうものほど食事を引き立て、飲み飽きしません。
仙醸 黒松仙醸
純米吟醸 金紋錦
華やかで丸みあり、穏やかで心地の良い甘みを感じます。細やかな酸がはつらつとした印象を与えます。穏やかなフルーティーさがあり、より洋食に合わせやすいスタイルです。レモンや柚子を絞るような揚げ物にもとても良いでしょう。
土佐酒造 桂月
スパークリング 匠 John
はつらつとして華やかさがあります。とても飲みやすく、辛み、酸味などのバランスも非常によく取れており、洋食、和食、スターターとして幅広く活躍しそうです。
吟の夢 純米大吟醸
するりと入り、ほのかな甘み、しかしすっきりとしてベタつかず、余韻まできれいに流れていきます。口当たり良く、ついつい飲み過ぎてしまいそうです。これは冷酒か、せいぜい冷や(常温)位で楽しんだ方が良いでしょう。
美吉野醸造 花巴
水酛 純米酒(熱燗)
鮮烈で太い酸、濃醇でたくましい酒質。日本酒を飲んでいるという実感溢れる、そしてなぜか癖になる一杯。チーズ、味噌、どのような発酵食品が合うか、細かく調べる必要がありそうです。
(番外編)
梅乃宿酒造 梅乃宿
風花 純米大吟醸
今回はいただけなかったのですが、春のオアシスでとても気に入った大好きなお酒です。透明感がありしっとり伸びがあり、雑味がほとんどありません。細やかな旨味があり、華やか、かつ軽やか。いわゆる日本酒嫌いにも勧めやすい一本です。