第2回awa酒認定式に参加してきました。協会認定の18種類のスパークリング酒が楽しめる、一般参加も可能のイベントは盛況でした。

awa酒協会という団体が自主基準と加入条件を設け、選ばれしスパークリング酒のみが認定酒としてタグを付け、差別化されて販売されるというもの。
現在海外で注目の的の日本酒ですが、中でもスパークリング酒は酒臭さを緩和した飲みやすさ、シャンパーニュ他に近いことから概念的抵抗感のなさ、あと輸出する際にどうしても越えなければならない高級酒としてのステータスを持っていることから、特に引く手あまたといえます。
ただもちろん、ガスを吹き付けたスパークリング酒が全て市場競争に勝てたり、輸出にふさわしいわけではありません。輸出してワインと同じ土俵で戦うという強い自信と信念から、このawa酒協会が生まれたといえます。

きっかけは10年以上awa酒を目指すべきものに完成させるために、シャンパーニュを研究し尽くしてきた永井酒造の永井則吉 さん。ワインのマーケティングを非常によく勉強しておられ、酒蔵をワインツーリズムのようにという意識も持っている革新者です。
この協会を作ったり、自主基準を設けたりということは、海外のワイン市場、特にヨーロッパでは当たり前のこと。客観的に分かる基準、それを超える品質があってはじめて、一般流通品、模倣品、粗悪品との区別して、本物として売り出せるわけです。
よって海外に輸出を意識するのであれば、こういった試みは素晴らしいことであると同時に、「必須条件」とも言えます。

今後このawa酒協会加盟の酒蔵が、切磋琢磨して品質を高め合い、足の引っ張り合いはしないという強い絆を感じますので、本場のシャンパーニュを相当数テイスティングしてきた私が、(あえて批判も承知で)ランキング形式で今のawa酒の序列を独断と偏見で発表したいと思います。まだ発足して2年半と協会としての歴史が浅く、awa酒を長年造ってきた歴史が長い蔵のほうが有利とも思いますが、それも含めて協会として全体がレベルアップをされていくことと思われます。

 

<Best10以外 しっかりめ>
千代むすび SORAH
ヨーグルトっぽいアロマ、味わいも乳酸とグッと上がる旨味がある。
後口のキレもある。スピーチで「乳酸が出過ぎないようにリンゴ酸も出した。」とおっしゃっていたが、もう少し出しても(乳酸を抑えても)良いかもしれない。

人気一 sparkling sake
香ばしいややアロマ。甘いタッチ、ふくよか、ボリュームもやや立つ。
ボディしっかり。やや、人気一らしい、お酒の飲みごたえが残ってしまっている。

 

<Best10以外 あっさりめ>
天山 sparkling sake dosage zero
ヨーグルトっぽい風味がかすかに出て、程よい辛みとスッキリ感、軽い旨味が感じられる。
欠点はないが、やや甘、微発砲の良くある日本酒との差別化があっても良かった。


出羽鶴 明日へ
余韻の酸も心地よく、マイルドで中道、それが心地よくバランス良い。 全体にケミカルというか、そっけなさを感じる部分さえなければ、飲みやすいスタイル。


出羽桜 AWA SAKE
りんご、ハーヴ系のアロマ。膨らみとやや甘みが中心。おしろいの様な粉っぽさ、米感、元のお酒らしさが若干残る。
温度上がると、後味にリッチな膨らみ、旨味が開いて出てくる。

<Best 10>

第10位
八海山 酸AWA ゆきしろ
クリーミーなアロマ、柔らかく、繊細で、王道の細やかな味わい。
派手さはないが、しっとり飲める。上品さだけならかなり上位。

第9位
MIZUBASHO PURE 2009
米の香ばしさ、古酒の風味穀物の香ばしさがが少し混じり、
樽発酵のシャンパーニュを彷彿させる味に、米のキレが加わる。
ほっくり、ジワリ旨味系、この酒独自の複雑な味わいがしっかり感じられる。もちろん通常の古酒とも風合いが全く違う。
滋味深い分、後味が苦く感じる人もいるかも知れないが、良い意味で併せ方やコンディション次第で使い道がある。

 

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第8位
八鹿 awa sake 白虹
繊細なアロマにヤクルトっぽさが若干入る。口当たりに旨味を軽く感じてから、広がりと深みも出てくる。
どっしりとボディも感じ、味の変化、構成も出来上がっている。八鹿の瓶内2次の泡は3000円クラスから素晴らしいので今後にも期待。

 

第7位
MIZUBASHO PURE
先駆者永井さんによる、いわゆるawa酒全体の中のプロトタイプ。シャンパーニュ現地でも研究を重ね、長年改良を重ねて出来上がった金字塔。今改めて飲んでも全体のまとまり、風合いはさすが。これを超えないと、awa酒のトップとはいえない、基準の一本。


第6位
豊久仁 sparkling
ライチ、マスカットなどのアロマから、細かめの味わい、後味に若干コメ感が混じるが浮いてはいない。
キレもやんわりとして繊細で素直に杯がすすむ。ピュアな旨み、細かなアクセントがクセになる。

 
第5位
南部美人 あわさけ
正直この蔵のお酒との相性が今までなぜか良くなかったが、この日は評判通りの高い完成度を堪能。
厚み、旨みを細やかにちりばめ、余計な風味、雑味は皆無。絶妙なバランス感で、嫌いな飲み手を作りにくい王道。

 
第4位
菊泉 ひとすじ
この日、この会の前の時点で圧倒的1位かと思っていたが、全体的にものすごく進化したawa酒が増えた証拠。旨みも程よく感じて、力強さ、柔らかさも丁度良く、リッチでしなやか。3位以上はある意味個性派ばかりなので、誰にでも奨められるのはこれが最上位かもしれない。

 
第3位
七賢 星ノ輝
グレープフルーツ、ライムのスッキリしたアロマ。かなりドライでキレもあり、食事にも合わせやすい。
さっぱりとした風合いや、泡の出方はとてもシャンパーニュっぽい。
冷たいと複雑みがやや足りないが、温度が上がっても甘くだれないのはさすが。
辛口よりなので、コメの風合い、お酒らしさはあまり感じない。

 
第2位
MIZUBASHO 雪ほたか awa sake
スッキリドライで、酒質は最もシャンパーニュに近い、というよりシャンパーニュそのもの。その分お酒感はない。永井さんの探究心はついにコメを使ってほぼシャンパーニュを造ってしまった。その技術力は、世界を驚かすのに十分。
あとは、コメの酒というアイデンティティーを残す ひとすじや南部美人あわさけの方が良いのか、この雪ほたかや星ノ輝の様なシャンパーニュを忠実にトレースするのか、消費者が決めるべきとこであろう。
余韻の上品さ、細かい旨味はさすが。

 
第1位
菊泉 ひとすじ ロゼ
色は極淡いローズ。繊細で品の良い甘み、細やかで優しい味わい。ワインに例えるとアスティとガッティナーラの香りを両方持つ。甘いと聞いていたこともあってか、逆にしつこい甘みには感じない。
スッキリしたキレ、ほわっと感がたまらず、食前、デザートに万能。
パテ、野菜の前菜、ベリー系のソースなどフレンチに広く合わせられる 。

正装が似合う滝澤さん。ご自身で動瓶もされているそう。そして、このロゼの色の調整も苦労されたとおっしゃっていました。

awa酒が、海外で、そして国内の若い層をターゲットにどう展開していくのか。今後も目が離せません。

 

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