サインボトルばかりのワイン会
編集長がワインの生産者に会う度に、頂いてきたボトルへのサイン。ある程度たまってきたので、いつかこの様な会を行おうと思ってきましたが、揃えてみるとなかなか豪華ラインナップです。
もちろん、もらったサインを自慢する為の会ではありません。(仕事柄もらうことを目的にすれば山ほど貰えそうです。)あくまで優れた生産者の顔=横顔、それを通して産地や背景などに興味を持ってもらえればという活動の一環で行いました。
このレポートでも、それぞれのワインのボトル、テクニカル情報だけではなく、顔、サインを含め、背景もお伝えしていこうと思います。
イタリア ウンブリア州
ロッカフィオーレ 「フィオール ダリーソ 2014」
グレケット種
背景:Luca Baccarelliルカさんを中心に、ワインの世界ではややマイナーなウンブリア州。そこで産地の伝統と地元の葡萄を守りながらも、モダンなパッケージデザイン、細やかな造りで、逆に準高級スーパーに置かれるほどコスパも高い。
味わい:熟れた柑橘やパインなどフレーヴァーはフルーティーで癖がない、バランスの取れた華やかな味わい。酸や旨みも緻密で大雑把な印象がない。あらゆる食事との相性もよく、この千円台という値段では考えられない位の出来です。
ホタテを使ったサラダにとても合いましたが、和洋中、併せられる料理の幅はかなり広いです。
日本 富山
セイズファーム 「シャルドネ 2016」
背景:寒鰤などで知られる漁港、富山県氷見の魚屋さんが始めた、異色のワイン生産者。
国内の伝統産地からは「葡萄に向かない土地」と疑問視されたがものともせず、今では数ある国産ワインの中でも非常に評判、人気が高い造り手の一つ。栽培、醸造は田向さんが行うが、彼のサインではなく、ある世界No1になったスポーツ選手のサインをたまたまここのシャルドネに頂けたので出品。
味わい:シャープなミネラルを散りばめながら、ふくよかさ、たっぷりとしたシャルドネ本来のまろやかさ、旨みが詰まっている。芯があって、厚み、熟成能力も感じられます。かつての「日本ワイン」のイメージが拭えない方は、この生産者のものを一本飲むだけで事足りる。つまり国際的に充分張り合えます。
リエットにも、ムニエルにももちろん合いました。ハリがあるのでやや洋食向きの一本。
フランス シャンパーニュ
J.M.セレック 「パルティシオン」
シャルドネ+ピノムニエ他
背景:若手注目株の一人であるジャン・マルク・セレック氏が仕込む。超少量生産でミネラルのしっかりした、緻密で芯の通ったシャンパーニュを産む。音楽が好きな一家で、ラベルの楽譜は実際曲になっている。
味わい:開けたてはきっちり塩味を感じる味わいでしたが、時間とともに樽の風味、ボリュームが出てきて、味の変化の幅には驚きました。非常に奥行きのある、熟成させるのも面白いシャンパーニュではないでしょうか。前半の味はリエットに、後半は鴨のコンフィに合いました。
スペイン カスティリャ レオン
テルモロドリゲス 「ペガソ グラニト 2009」
ガルナチャ種
背景:ワイナリーは間借り、スペイン各地の畑を手がけ、ワイン造りの常識、スペインワイン界を共にひっくり返した鬼才。スペインで最も成功し、知名度のある造り手の1つ。といっても生産量は少なく、熟成したものはやや希少。
味わい:10年近く経ったものを飲むのは初めてでしたが、ちょうどいい頃合い。ドライフルーツやコンポートなど熟れた果実の風味が細やかに散りばめられ、舌触りもなめらか。複雑な旨みがじわりと広がり、余韻も長く心地よいワインです。
豚ロースの金柑を使ったソースとはこの上ない相性!若いうちはベリー系のソースの肉料理が良いでしょうが、やはり熟成後は、熟れた柑橘のソースが相乗します。
U.S.A. カリフォルニア
ベッドロック 「ロレンソズヘリテージ」
カリニャン他混植
背景:「レーベンスウッド」という評価の高い生産者の息子モーガン・ピーターソンが友人クリス・コトレルと共に創業。カリフォルニアの僻地から目に止められない、打ち捨てられたような畑を発掘し、そこから昔ながらのぶどうの力でワインを仕込む。よって混植混醸は当たり前。このワインもカリニャンをはじめ、ありとあらゆる品種の葡萄が同じ畑から混じっています。
味わい:辛口でしっかりしたコクのある味わいですが、熟れた果実の華やかで深い風味や、シナモンやスパイスなど微細なアクセントが飲み飽きない。たっぷりした中に繊細さを持つ稀有な赤ワイン。
私好物のこのお店の鴨のコンフィにも良いですが、やはり最後の牛肉には文句なしの相性。この時点で美味ながら、結果的にはまだまだ熟成出来たな、という印象。
日本 山口 萩
八千代酒造 Bd-14 純米酒
国産米
関東の営業を勤めてきて、昨年から蔵の造りにも参画した、お世話になっている美人蔵元蒲さんの蔵の日本酒。(サインはなし。)日本酒度-14という甘めのお酒。ロックで食後酒として楽しんでいただきました。すっきりとした飲みやすい口当たりに、僅かなとろみ、軽い甘み、コメの風味も僅かに顔を覗かせます。洋のデザートより和菓子の方がやはり合ったかもしれません
グルメサイト「ビミシル」にも掲載している横浜・白楽のフレンチビストロ「ラ グルヌイユ」さんは2度目の訪問。
http://www.bimishiru.net/yokohama.html
ファミレスに毛の生えたような価格で、本格的なフレンチを、かなりのボリュームで頂けます。この日も3000円のコースで魚の後は結局肉料理3種、デザート付きと、こちらが申し訳なくなる価格設定です。
ひとつのワイン・酒と向き合うとき、その造り手、産まれ故郷を知ることで、何倍も楽しく、興味をもって味わえるのではないでしょうか?
今回参加者にも好評だったこの会、また何年かかけてサインボトルが集まればやりたいですし、メーカーズディナーなんかも当winelive.netプロデュースでやれる日がくれば良いですが。
最後までお読み頂きありがとうございました!
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