「初心者が最初に覚えるワイン」であろうボルドーメドックの5大シャトーが、実は価格の面ではボルドー代表銘柄ではなかった!というお話。
ワインサーチャー”wine-searcher”の記事

元記事はこちら

https://www.wine-searcher.com/m/2017/07/bordeaux-most-expensive-wines
世界の中でも高価なワインを産するするボルドーの生産者の中で、最も高価なものベスト10のリストが以下である。多くの人の想像とは違い、白ワインが1つランクインし、ボルドー右岸のワインがベスト10の半分を占める。更には、世界的に知られているワイン「ムートン・ロートシルト」に至ってはランク外という結果になっている。
10本のうち3つは「シャトー」という冠称すらつかない。
データはこのサイトの生産者別の平均価格を比較したもの。(サイトに登録されている全てのワインの平均と見られ、相当古いヴィンテージも含まれる)

latour


1. リベル パテルLiber Pater $4742
2. ペトリュスPetrus $2788
3. ル パンLe Pin $2682
4. シャトー ラフットChâteau Lafite Rothschild $933
5. シャトー オーブリオン ブランChâteau Haut-Brion Blanc $863
6. シャトー ラトゥールChâteau Latour $808
7. シャトー オーゾンヌ Château Ausone $746
8. ラフルールChâteau Lafleur $717
9. シュヴァルブランChâteau Cheval Blanc $659
10. マルゴーChâteau Margaux $646

ここから winelive解説

さらにこの記事のトップのワインについては存在を知らない人も多いのではないでしょうか。
リベル パテルLiber Pater ラテン語名を付けられた、このグラーヴのワインは、いわゆる生産本数が少ないガレージワインと言われるもので、現地の販売価格が約50万円弱というところを見ても、なかなかに強気な価格設定であります。サイトにはわざわざ中国語ページがある歴史の浅い、モダンタイプのワインです。
日本では5大シャトーという名前が先行し、これらジロンド川左岸、メドックを中心としたワインが人気流通量ともに集中しているわけですが、これらのワイン実は値段としては最も高い価格帯でもなく、安くもないという中途半端な位置にいます。
5大シャトーの中で唯一価格において「頑張った」のが4位ラフットで、それでも良いほかの左岸シャトー赤に至っては5位以内にも入れていないことがわかります。
5位のオーブリオンは知っている人にとっては当然かもしれませんが、赤ワインよりも白ワインの評価、価格が高い生産者で、今回白で唯一のランクインです。
注目すべきは9位のシュヴァルブラン。マルゴー、ムートン・ロートシルトよりも高いわけですが、このワインは世界的には評価が高く、愛好家や世界の醸造家の中にも愛飲を公言してはばからない人が多いワインです。(例えばイタリアトスカーナのトリノーロやニュージーランドのプロヴィダンスのオーナーなど)。
5大シャトーやメドック至上主義は過去の遺構で、いったん忘れた方が良いでしょう。
我々買う側飲む側としてはこういったデータを参考に、「中身は美味いがそれほど高くない」ワインを探し当て手に入れることが、必要かつ楽しみでもあるわけです。