日本におけるシェリーの第1人者中瀬航也さんのお店“シェリーミュジアム”にて行われた「南蛮菓子とシェリーを愉しむ会」。ちょっとマニアックそうと思われるでしょうが、歴史好き、そしてスペインワインとシェリー好きの編集長にとって格好の機会とうかがって来ました。

ところが知らなかった新事実、関連情報が多くて、いつもの様な記事にはなりそうにありませんので、文章にはせず箇条書きで記していこうと思います。

現在も残る多くの外来語の由来ともなった「南蛮語」。雑学と言葉の由来が多く身につく、たまらないセミナーでした。

 

後半では、ワインの総合サイトらしく、味お菓子と共に味見したシェリーのコメントもちゃんと書いております。

* 安土桃山時代、日本に宣教に主に訪れていたのはイエズス会所属、スペインのバスク・ナバラ地方の人々>日本ではスティルワインよりも、日持ちもする彼らの主力商材オロロソ、ペドロヒメネスなどのシェリーが普及

* フィノ・アモンティリャードなどの辛口シェリーが生まれるのはずっと後の18世紀以降

*葡萄栽培ワイン造りに長けていたシトー派が来日しなかった>もしシトー派 が訪れていたら今頃日本もワインや葡萄の栽培地が増えていたかも

*南蛮菓子の普及>菓子に用いるもの 卵・牛乳・砂糖 それらが揃いやすい背景があった>

カトリックにおいては「鶏・蜂・天使」は罪のないもの>鶏の卵、蜂蜜は無性 生殖なしでできるから

(仔牛仔豚には罪が少ない>老いるほど罪が増す)

 

“卵”

*ワインの精製ろ過には卵白を使う>残った黄身を何に使うのか>菓子の発達

*黄身が強くオレンジ色に見える卵はパプリカ等を大量に食べさせている可能性あり

 

“牛乳”

*南蛮菓子水牛でできるモッツアレラなどは真っ白、理由:乳牛はカロチノイドを分解できないため色素が残る

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“蜂蜜”

*養蜂はかつて修道士の仕事>蜂蜜ミードからエールが生まれる。

*ブライダルの語源は「ブライドオール」:自家製のエールを造って招待客に売って、その資金で家財道具を買い揃えていた名残

*かつてのヨーロッパで水がわりに飲まれていたのがエール。シェイクスピアの戯曲の中でケーキと共にエールが飲まれていた。それは水の衛生状況があまりにも悪いため、エールが安全な飲料とされていたため。

 

“砂糖”

*釈迦族はさとうきびの売人であったため、シャカからシュガーの語源という説もある。

*木造船の安定をもたらすためにバラスト(重り)が必要だった時代に、西洋から積まれていたのが砂糖

>帰りには醤油(コンシール瓶入り)、香辛料などが詰められて運ばれていた

*かつてはスペインの南西部やアフリカ大陸の北なども、さとうきびの栽培が盛んな地域であった。サトウキビ栽培業者でもあったコロンブスアメリカ大陸を発見したため、主な栽培地が奴隷を使った人件費の安い中南米に移行

*精製するにつれ廃棄物となる、さとうきびのかすの処理対策に用いられたのかラム。かすを水につけ発酵後蒸留させたのがラム

 

(その他)

*ロンドンの大火事により木造家屋が禁止されたために現在に至るまで木造の家屋がない、レンガ造りなど

* ビスケットは“ビスコイイト“(2回焼く)という意味に由来。

(注「ビス」は今でも英語の「バイス」という言葉に残るように2、2次という言葉を表す単語。例:バイシクル、バイセクシャル、バイスプレジデント)

 

*スペインワイン中華スペイン料理は共にシェリーに合う>共に油を大量に使った料理であるため

* スープとアモンティリャードは鉄板の組み合わせ

 

シェリーのコメント

<グティエレス コロシア> コロシア オロロソ セコ:果実の甘み、苦味は少なく素直な味わいが特長で若干スムース。卵黄そうめんのまろやかさ、甘み、口当たりの良さをうまく包み込むタイプ

<ウィリアム ハンバート> ドライ・サック:深み酸味と共に、日本酒の原酒(古酒のような香ばしく深く複雑な味わい。カステラのしっとりとした香ばしい甘さと好相性。

<テレサ リベロ>ラウレアード クリーム:ラウレアードとは月桂冠(の戴冠)表す単語。西洋からの野菜であるカボチャを用いた羊羹。羊羹とシェリーを合わせること自体初めてでしたが、ましてやかぼちゃを使ったもの。しかしかぼちゃの青みが出て逆にそれがシェリーのスッキリ感旨味を引き出していた。不思議で興味深い組み合わせ。

チチャリート・ペドロヒメネス:色合いも深くとろみというよりはどろっとしたソースのような香味を覚える。情報量のとても多い、煮詰めたような濃密さを持ったシェリー。スパイス、ドライレーズン、煮込みのような香りがする。焼き菓子ビスケットなどによりそう、カラメルやソースの様な存在。

講師で店主の中瀬さん、先日ご自信2冊目の本も出版。私も常日頃から、日本でもっとシェリーを!と少ない知識ながら言っておりますが、こういった本物の研究者の書籍に触れてから、五反田のお店に足を運んでみられると、しっかりとシェリーの世界が体感できると思いますよ。

中瀬氏シェリー酒ブログ:https://ameblo.jp/catador/

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