ゲミシュターサッツとは

オーストリアワインはお好きでしょうか?良さが分かっていて好きな人(少数)と、「そもそもイメージがぴんとこない」という人に分かれるかもしれません。
実はおいしいワインが多く、日本の食卓でもっと活躍の場が与えられてもおかしくない、オーストリアワインの魅力を発信するため、業界向けと同様一般消費者向けの試飲会イベントも行われています。あまり飲んだことない人は毎年開催していますのでぜひ参加してみてください。

さてその業界向け試飲会のこのレポート前編では、会場内をスポットセミナーでオーストリアワイン大使で自然派ワインの造詣も深い、「酒美土場」店主でオーストリアワイン大使の岩井先生によるセミナーの説明を基に、ゲミシュターサッツとは何か、どうして日本の食卓で使えるのか、掘り下げてご紹介していこうと思います。

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ゲミシュターサッツの歴史
そもそもなぜ日本人に合うと(オーストリアワイン大使の皆さんや私が)思うのか。これは品種の交じり合いと調和によるバランスの取れた味わい、瑞々しさだと思うのです。
まずはゲミシュターサッツが現在に至るまで、どのように造られてきたのか、歴史をひもとく岩井先生の説明から始まりました。

 

オーストリアで知られるワインのゲミシュターサッツ。これはドイツ語で「混植」を意味する。つまり一箇所の葡萄畑に、ありとあらゆる品種が混ぜこぜに植えられている状態。現在では世界的に見ても少数派になってしまった。

しかし200年以上前、ヨーロッパでフィロキセラというブドウの病害広まるまでは、ほとんどのブドウ畑は「混植」で、こうした栽培が普通であった。ワイン名は土地の個性や生産者名表すもので、現在の様にぶどう品種が味わいを決めるものではなかった。
フィロキセラ後の植え替えにより、区画ごと品種の植え分けが進む。その後はワインを多品種のブレンドでワインを仕込むという考え方自体が、フランスのボルドー、ローヌ、アルザス、シャンパーニュ、南オーストリア、ドイツの一部などを残すのみで、少なくなってしまった。

近代では、品種別のワインが評価を高める中で、ゲミシュターサッツのタイプはどうしてもランクが下と見られがちだった。2000年代ヴィーニンガー社がゲミシュターサッツでクオリティワイン造り出し、品種個性よりも土壌そのものを表現することに成功した。

「格下」「安ワイン」のイメージを払拭したゲミシュターサッツは、現在に至るまで、オーストリアワインのアイデンティティの一つとして認識されているのです。
混植だからこその自然の反映=VT差
そもそも、このゲミシュターサッツ(混色混醸)とブレンドのタイプは考え方が似て非なるもので、出来てくる味わいも違ってくる。

それぞれに収穫してワイナリーでブレンドするタイプ。ボルドーなど今では世界の大部分は、その年のブドウの出来を見てブレンド比率を調整するため、毎年安定した味、ブランドイメージに沿った調整がし易い。例えるなら日本酒、ウイスキーのブレンダーに近い調合技術が求められる。
一方、混色混醸では毎年の畑の出来をそのまま混ぜて造るだけなので、逆にヴィンテージ差が出やすく調整が効かないのである。

 

会場を回って比較テイスティング

最後に岩井先生アテンドのもと、参加者全員で会場を回って比較テイスティング。そのうち違いが分かりやすい5種を下記にご紹介します。
まずは同じワイナリーのワイン3種の飲み比べ。

ヴィーニンガー ウィナー ゲミシュターサッツ
11種類ブレンド。下記2つの畑のブレンドでもある。ミネラルがしっかりと余韻まで続き、かつダイレクトに感じられる。全体としてはまとまっており、あらゆる食事に合わせやすい。酸は適度でそれほど硬くは感じない。清潔感と引き締まった旨味がクセになる。

以下2つは畑の違い。畑の違いこそが、味わいに現れるという好例。

ヴィーニンガー ビザンベルグ
ドナウの対岸で川がやや湾曲にしている場所で石がたまった土壌の為、石が持つ熱で暖かくなる土壌。ふくよかでオレンジのような風味が出る。(このVTの特性らしく)温かみを感じ、ふくよかなオレンジピールなど熟した柑橘のフレーバーと共に、舌触りにとろみも若干出る。

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ヴィーニンガー ニュスベルグ
ミネラルがダイレクトに出て余韻までしっかりと。料理に合わせやすい透明感のある味わい。
全体的にかちっとして、引き締まった塩みがある。線が細く余韻にかけて切り上がるようなイメージ。
ニコライホーフ エリザベート
サースさんはオーストリアの中でもビオディナミにいち早く取り組み、当初は周りの理解が得られずに「魔女」と変人扱いされていた過去もあるそう。今では時代が追いついてきて、オーストリアの自然派ワインの先駆者であり、トップレベルの生産者と目される。
娘さんの名を冠したエリザベート。6種の混植。とろみ、奥深さミネラルを伴った細かい旨味。高貴というより懐に飛び込んでくるしなやかな力をもつ。オーストリアワインの中においてもまろやかさ、複雑さにおいて別格。

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オーストリアでは新酒すらもポテンシャルが高い。ボージョレヌーヴォーの飲み頃半年までと言われる中で、2年前の新酒(白)が今面白い状態に。ちなみにホイリゲとは本来「居酒屋」を指し、店飲み様に仕込まれていた新酒が起源。

ツァーヘル ホイリゲ2016
角が取れ、滑らかさが見て取れる。2年おいても熟成感ではなく緩やかさ豊かさ、果実のハリを感じられ、これもまたひとつの飲みごろである。

和食、会席、すしはもちろん、あらゆる場面で重宝される、好き嫌いの出にくい白ワイン。覚えておいて損はないと思います。

 

岩井さんのお店 酒美土場HP

https://www.shubiduba-tsukiji.com/

 

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