横浜のみなとみらい地区の商業施設Marine&Walkで行われた「ワインと海」というイベント。3,000円の入場料で15ブース、100種類ほどのワインがテイスティングできるというイベント。量、種類制限無く飲め、参加者にとっては嬉しい、太っ腹なシステムでした。すぐ隣の赤レンガ倉庫ではオクトーバーフェストが盛大に行われていた横で、規模としてはこじんまりとして、どれくらいの人が集まるのか未知数でしたが、開始とともにチケット受付には数十人の人が並ぶ他、夕方にはワインが次々と無くなるなど、イベントとしては盛況でした。
青山の国連大学で行われているLifewithWineとの連動企画ということで、そちらにも多い自然派(ナチュラルワイン)のブースが多数を占めていました。
さてこの自然派ナチュラルワインが人気を得て久しく、最近ではさらに無濾過(にごり)、オレンジワインなどがもてはやされています。
確かに自然派ワインは比較的旨味や厚みがあるので、何度か飲むと慣れて、より複雑なものへと、深みへとはまっていく傾向があります。
筆者個人としては特に肯定派ででも否定派でもないのですが、あくまでそのワイン自体がバランスが良いか、素直に美味しいと思えるかが全て。同人自然派のこもったワインが万人に取っておいしいものと猛進するのは危険で、初心者のワイン離れをを助長することになりかねません。
よってあくまでも、多くの人にとって美味しいのか、そもそも飲めるのかという基準で、お勧めできるものを以下にに紹介したいと思います。
また次の記事では先日のオーストリアワイン試飲会の様子も掲載予定ですが、こちらも自然派も多いのですが、だいぶ飲みやすいのが印象的。併せて読んでいただけると参考にして頂けるのではないでしょうか?
以下、最初の日本ワイン3種はワイナリーごと、輸入ワインはブースがインポーターごとでしたので、その別で分けております。
今回のイチオシは一番最後の 「ル ヴァン ナチュール」。名前からは、こてこての自然派を連想したのですが、いやいやクセは少なく、ピュアで素直に美味しいと思える王道のものが多かったです。
再認識した「結論」は、自然派ワインといっても幅が本当に広すぎて、看板にだまされず一つ一つ見ていく必要があるな、という当たり前の話です。
<タケダワイナリー> (山形)
タケダ クリオエクストラクション (写真右から3本目)
(デラウェアを人工凍結し、水分を取り除き凝縮した果汁から造った、やや甘口の白。)
さらりとしてクセがなく、ほんのりとした甘みが穏やかに広がる。軽いチーズはもちろん洋食にも合わせられる。
サンスフル (写真右から4本目)
軽くタンニンと、にごり特有の籠った味わいは若干あるが比較的飲み易い。気軽に飲めるライトボディの赤。
<ドメーヌナカジマ> (長野)
ペティアンナチュールロゼ
色はかなり濁っていて身構えてしまうが、やや締まったのキレと共に、旨みが出て比較的飲みやすい。
輸入元=トレジャーフロームネイチャー= (イタリアのみ)
<グアード アル メロ> (トスカーナ)
バッコイントスカーナ(左写真右)
サンジョベーゼ60% シラー40% の赤。滑らかで程良い酸、果実感も程よく濃く飲みやすい。充実感と広がりを持ったバランス型の赤ワイン。
<アルド ヴィオラ> (シチリア州)
クリミーゾ (右写真中央)
シチリアの地品種カタラット100%。熟した柑橘風味や軽い旨味、ジューシーさが出る。適度な凝縮感で濁りっぽい風味も若干あるが、飲みにくいタイプではない。
輸入元=37ワインズ = (イタリアのみ)
<ミラーナ> (ラツィオ州)
2212ラツィオ ビアンコ(写真中央)
マルヴァジア、モスカート、トレッビアーノ。アタックに透明感がありややドライ。そして苦味も少し乗る。全体的にピュアでヴァンナチュール(自然派ワイン)としての風味はそれほど強すぎず、バランスが良い。芳香系のブドウ品種中心だが香りもうるさすぎず穏やか。
輸入元=ヴィナイオータ= (イタリアのみ)
<トリンケーロ> (ピエモンテ州)
ヴィナージュ
メルロー、グリニョリーノ、ネッビオーロ の赤。淡めで青みが勝った色合い。引っかかり無くスムースな中にも細かい旨み、エキスが見て取れ、ジューシーで親しみやすいタイプ。
<イル カンチェッリエレ> (カンパーニャ州)
ジョヴィアーノ イルピニア アリアニコ
色合いは深く、赤みが強い。果実味豊かで酸も細やかで存在感がある。程よい充実感で、これも飲み疲れず杯がすすみそう。
輸入元=アフリカン ブラザーズ= (南アフリカのみ)
<ザ ブラックスミス> (南アフリカ)
ヴァンブラン (写真右から3本目)
シュナンブランの白。ジューシーでジンジャーのような風味。軽い濁りがあるが、クセは少なく、さっくり飲める
<シルワーヴィス>
サンソー(写真右から2本目)
チャーミングで軽い酸、さっぱりとして細かいキレがアクセント。クセなくスムースでするすると飲める、ある意味危険な口当たり。
輸入元=GO TO ワイン= (米国ニューヨーク州のみ)
<シン ステート>
ノン ヴィンテージ レッド (写真右から2本目)
アロマが強く、クリーミーでカスタードのような風味もさらりと交じる。
味わいは滑らかで、果実味が丸く広がり、読み易い。
<ドクター コンスタンティン フランク>
サーモンラン(写真右から3本目)
カベルネフラン、メルロほぼ半々。透明感と少し甘みが出る。そこにとろみが混じり共存する。全体的にさらりとしている。
<アンソニー ロード>
デヴォニアン ホワイト(下写真中央)
リースリング、シャルドネ、ピノグリ。すっきりさっぱりとして、安心感のある洋食に合わせられる。フローラルかつ爽やかな果実のアロマは穏やかに横たわり、昼から飲むこともできる軽やかで小気味よい味わい。
輸入元=ル ヴァン ナチュール= (フランス・スペインのみ)
<アルファ ロワール> (フランス ロワール)
ル ソーヴィニヨンブラン
口当たりはすっきりとして、ミネラル酸がにグッと上がる。余韻にかけてじわっと旨味が感じられる。全体的に引き締まり、余韻もさっぱりとした辛口の白。白身魚のフライに。
<バランコ オスクロ> (スペイン アンダルシア)
トラヴィエサ ブルブハス
珍しいヴィヒリエガ使用。軽い檸檬屋ゆずのような風味があり、さっぱりと飲める。炭酸でさっぱりとした中にも果実の風味が優しく広がるので、女性を中心に初心者でも飲みやすい。
<アンドレ ステンツ> (フランス アルザス地方)
ピノノワール
酸もタンニンも控えめでスムース。果実味が開いてとても飲みやすく、適度な旨みも心地よい。派手な甘み、複雑さがあるわけではなく、気軽に親しめ飲み飽きない、使い勝手の良い一本。
最後までお読み頂きありがとうございました!
最新情報のお知らせは下記ページでいいね!をお願いいたします。
WineLive.net FaceBookページ
https://www.facebook.com/winelive.net/
WineLive.net Instagramページ
https://www.instagram.com/winelivenet/
———————–
ポータルサイト
www.winelive.net