戦前はブドウの栽培が全国一だった大阪!その影響もあり、関西には老舗のワイナリーが多いですが、飲まれたことがある人はまだまだ少ないのでは?とも思われます。
関西ワイナリー協会加盟10社のワイナリーが、関東で試飲会を行うのは実は初めて。
ワイナリーの簡単な紹介と共に、どんなワインなのかご紹介していきます。
前編は大阪府内の5社のみです。
<カタシモワイナリー>
100年の歴史を持つ老舗です。ちなみに山肌に広がる畑は、南大阪の市街地のすぐ近くにあり、昔大阪が一大ブドウ生産地だった名残を感じられます。私が、国内で2回同じワイナリーに行ったことがあるのは、丹波ワインさんと中央葡萄酒さんとここだけです。
2回伺った話をすると社長の高井さんは、喜んで拍手してくださいました。
ほかの来場者に「リースリングみたいなこちらの土地に合わない外国の品種無理やり育てるのは疲れるわ」というなどいかにも大阪商人といったユーモアの持ち主です。ここの古酒のポテンシャルはすごかったです。
*金のたこシャン
そもそもたこシャンとは「たこ焼きに合わせる為の」スパークリングワイン。これは自社畑のぶどう用いたたこシャンの上級クラス。
柔らかさ、丸みがあり、口当たりも良い。通常のたこシャンと比べると果実の味わいはあるが甘い風味は逆に抑えられて、だれずにまとまりがある。
*柏原ベリーA 1985一升瓶ボトル(非売品)
少し焼けた香味があるがタンニン、酸は嫌味なく感じられる。
乾いて香ばしく、熟れた酒質の中に、ドライハーブや干しぶどうの風味が混じる。口当たりは痩せているが、まだ充分楽しむことができる。海外のものなら60年代のサンジュリアンのような風味。
*河内ワイン メルロベリーA 1998(非売品)
こちらは甘みが少し残り、細かい戻り香、口あたりが柔らかく比較的スムースに楽しめる。ドライフルーツなど熟れた風味が穏やかに広がる。90年代のスペインワインのようなしっとりとしてグラマラスな風味、風格がある味わいで、まだ数年以上楽しめそう。
<飛鳥ワイン>
ここのものを飲むのはは初めてです。ややクラシカルですが、王道、バランスの取れた良いワインが多いです。
栽培のボランティアを定期的に募集したり醸造体験ができるなど、参加型のワイナリーとして知られます。気になる方はホームページでご確認を。
*デラウェアスパークリング
香りに焼けた風味が出ているが、その後はすっきりとフレッシュな伸びやかで、キレが強くレモンスカッシュのよう透明感があり、爽快な余韻。
*シャルドネ
クラシカルでやや酸化した風味が出るが、甘みと軽く締める酸、キレがかすかにありバランスを取る。しつこくもたつかない、丸いふくらみに好感が持てる。
*アルモノワール
ツヴァイゲルととカベルネ・ソーヴィニヨンの交配品種
黒めのペッパーのノート。酸がしっかりと残るので、酸が苦手な飲み手にはやや厳しい。逆に甘くなく暑い時期にも飲め、くどくない。濃縮感もほどほどにあり、アクセントのある食中酒としての一面も持つ。
<仲村わいん工房>
栽培用30年近く携わってきた仲村現二さんが率いる少量生産にこだわった生産者。商品ラインナップが豊富で、ラベルを一度見たら忘れられない特徴的なもの。どれを飲んでもしっくりくるじわりとした旨みが共通してあります。
*仕合せな白
しっとりと舌触りの丸みがあり、ふくよかな口当たり。重くないが、まろやかで細かさ、充実感がある。中心となるのはシュナンブラン。
*シュナンブラン
優しい旨みがじわっときて、まさしく上記とはタイプが違い、まさしくロワールの少しこなれて、複雑な風味の出ているシュナンブランを彷彿させる。たっぷりとしているが、ひきつけられる細やかさ、魅力がある。
*大阪メルロー2010
ふくよかで厚みがあり複雑で、細やかなバニラのフレーバーから果実味のふくらみまでリッチ。味わい深いがこなれて重層的。イタリアボルゲリの赤を連想させる外交的な果実味も持った上質な味わい。
*カベルネ・ソーヴィニヨン2001
芯のぶれない味わい、しっかり感が見て取れる。キャンティクラシコ・グランセレツィオーネのような、香ばしく厚みにある樽香。
<河内ワイン>
このワイナリーのものはようやく初めて飲んだのだが、どれも非常にレベルが高い。特に最初のデラウェアから完成度に驚く。隣の仲村わいん工房の現二さんから「1200円じゃ安すぎるから1500円で。」と勝手に値上げを決められるぐらい、コストパフォーマンスは良い。「和食に合う優しい味わいにしたいんですよね」という言葉がすべてを物語っている気がします。」
*デラウェア
良くあるデラウェア細さ辛さ頼りだけでもなく、かといって風味が強い甘さだけでもない。すっきりとして口当たりよく柔らかいが、しつこくない。先入観がなしでデラウェアと答えられるか微妙な位、飲み口がナチュラルで良い。
*ロゼ
こちらもとても良い塩梅。ベリーのフレーバーが出ているが赤すぎず、まとまりがあり飲み心地も良い。苦手な人が限りなく少ない、と考えられるワイン。
*シャルドネ
こちらもまろやか、つややかな果実味、酸などの角が取れている。するりと飲めるがちゃんと充実感もある。もちろんシャルドネ由来の粘性もあるのだが、しっとりして、飲み飽きない素直さもある。
*メルロ
決して濃くないのだが、ベリーのフレーバーが出て、口当たりまろやか。穏やかに広がり、余韻まで雑味、乱れが少ないお手本になりうるバランス。
<島之内フジマル醸造所>
今では日本でも数軒見られるようになった、都市型ワイナリーの先駆者。大阪市中央区という街中にあり、その後清澄白河にも醸造所をオープン。存在を知ってる方は多いでしょう。
*クヴェヴリ シャルドネ 2016
クヴェヴリとは古代から醸造に使われてきた甕で、ヨーロッパの自然派を中心に見直されて使われています。酸化した香ばしい風味は若干ありますがそれ以外はクセは強くない。口当たりもキレ過ぎず、ねっとり過ぎずうまくまとまっている。
マスカットベイリーA 2017
しっとりとして華やかな風味、青みはほぼ感じず、王道の万人受けするスタイル。日本ワイン飲まず嫌いの人に飲んでもらう一本目として。
後編の大阪以外のワイナリーに続きます。
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