「ぐるなび」は、飲食店のサイトのみでなく、和食ユネスコ世界遺産登録活動の支援や、各地の食材を広めるイベントを手がけるなど、食に関する活動も幅広く行っています。

その一環として、「おいしいアカデミー」という新規講座が開講。「世界の料理とワインコース」「日本酒コース」の各講座全6回が行われます。
5/30から始まる本編に向けて、体験会が開催され、「日本酒コース」に引き続いて取材で伺いました。


「日本酒コース」の体験会レポートはコチラ

講師はアカデミーデュヴァンでも講師を務め、プロ、アマ向け問わずワインと食に関するあらゆる発信をされているアンプリフィカ社長 大滝 恭子さん。

今回の体験会はワインそのものの成り立ち(産地・品種)というよりは、「ワインは食事と楽しむお酒」をテーマにマリアージュ、組み合わせで、楽しむ方法に重きを置かれていました。

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マリアージュの基本、考え方
「軽い料理には軽いワイン。複雑な料理には複雑なワイン。」
という基本があるのは、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
ではそもそも料理の重い軽いとは何か?をイメージできるでしょうか。
分け方として「脂肪分の多さ」、あっさりこってりの区分と考えると分かりやすいとお話されました。
さらに、ワインの区分、合わせるキーワードとして出てくるのが「酸」です。

 

ワインには600の成分が入っにある。アルコール、エキス、酸など。
中でもワインの味わいに大きな影響力を持つ「有機酸」が6種あり、その酸の中でも
ブドウ由来のもの;酒石酸、クエン酸、リンゴ酸
その他発酵でできるもの;乳酸、酢酸、コハク酸
に分けられます。


ブドウ由来のクエン酸、リンゴ酸などは文字通り、鋭角的な「酸っぱさ」を感じます。
一方発酵の産物である乳酸は「まろやかさと旨み」につながります。

また、そのまろやかさを出すために、発酵後にさらにリンゴ酸を乳酸に替える過程があり、それを「マロラクティック発酵」といいます。

 

フレッシュな白ワイン(リンゴ酸中心)は冷やして(5-8℃)おいしい「スッキリ」型
重みのある赤ワイン(乳酸中心)は高めの温度(18-20℃)でおいしい「どっしり」型
重めの白と軽い赤(リンゴ酸と乳酸半々)はその中間の温度(10-15℃)でおいしい「しっかり」型
と区分できます。

 

 

これが分類できれば、
「スッキリ」型にはさっぱりした魚介、脂身の少ない白身肉、野菜、柑橘のソース
「どっしり」型には脂身の多い肉、魚、発酵食品(キムチ、チーズ、味噌他)、スパイス
「しっかり」型にはオリーブオイル、クリーム、軽めのチーズなど
が合うという「マリアージュの黄金率」にたどり着け(理解でき)ます!

 

 

ほろ苦いもの、香りの近いもの、樽の風味と香ばしさなど、似たものの組み合わせる方法や、エビサーモンにロゼワインなど、色の近いものを合わせるといった、便利な組み合わせの方程式も覚えておくとよいでしょう。

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更に味の特徴が全く反対のものを組み合わせる上級編もありますが、これは慣れない人は手を出さないほうが良いようです。

 

 

実際にテイスティングを試す

テイスティングの方法は色を見て、香りを取り、味を見る、の3つセットが基本です。

体験会では①-④4種のワインの比較を通して、実際に参加者全員でブラインド(目隠し)テイスティングにチャレンジしてみました。


①白。花の香りや金柑、ハーブ柑橘の風味がします。すっきりとして伸びやか、辛さはありますが、そこまで強くありません。

②白。樽香がしてふくらみがあります。口当たりはすっきり透明感もありながら、後味に苦味や樽の香ばしさも感じる。

③赤。イチゴジャムや軽くベリーの風味がします。淡くて透明感のある赤色。酸や甘いベリーの風味もします。「重過ぎないので一部の魚にも合います。」

④赤。色も濃く深く、味わいは濃密でタンニンもしっかりしています。香ばしく後味も長く感じられます。

 

ワインの不思議な点は、葡萄そのものの香りではなく、他のフルーツの香りがするところ。
白はレモンやグレープフルーツ、白い花。赤だとスミレやブルーベリーなどほかのな香り。

舌の場所で味の感じ方が違います。両脇で酸、奥の方で苦味をとるなど。
そういう意味でも、舌の上で転がす様に、口の中全体で味わうこと。ごくごく飲みすぎないことが重要です。

 

テイスティングといっても分析する必要はなく、全体の味わい、タイプを把握することを目的とするように、と解説されました。
ワインの味わい、印象は時間経過とともに変化するのと、徐々に感覚が鈍くなって来るので、第一印象で大体のイメージをとるのが大事。

「おばあちゃんちの押入れ」や
「絹のハンカチーフで舌を拭った様な」という具体的な物事に例えたり、
人に例えて
「金融系のサラリーマン」
「ちょいワルオヤジ」
「盛りの過ぎたレースクイーン」などと形容すると
印象が明確になるだけでなく、会話も盛り上がります。

 

気になる方の為に、それぞれのワインは

①フランス ロワールの ソーヴィニョンブラン

②チリの シャルドネ

③フランス ブルゴーニュの ピノノワール

④チリの カベルネソーヴィニョン主体 でした

 

 

参加者の意見

テイスティングを通して、参加者の皆さんからは
「味わいの表現方法がわからない。」
「酸はどちらが強いのかわからない。」「人によって感じ方が違う。」

「香りと味の印象までは言えるががマリアージュの料理名を具体的に出すのは難しい。」
「イカの塩辛が好きなのでそれに合わせたい。」
「ビリヤニ(インドの炊き込みご飯)にあう。」

という、ワインに興味は持ちつつ、その入り口で感じられることは千差万別であることが良く分かります。

 

 

 

調味料を使ったマリアージュの実践

ワインのテイスティングだけではなく、この日勉強したマリアージュの基本を、早速実践してみる試みもありました。
参加者各自にかまぼこが用意されています。フレッシュな白ワインとは悪い組み合わせではありませんが、軽い赤ワインと合わせただけで魚臭さ、鉄っぽさが出てしまいます。

このような場合にはオリーブオイルをつけてコーティングすると、不思議と生臭みが出ません。
これには参加者の多くも「びっくりした」「意外だった」という声が多く聞かれました。
また重めの赤ワインとかまぼこは余計にあいませんがこの場合同じ発酵食品で色の近い醤油をつけてみてみましょう。かまぼこと醤油赤ワインこれも喧嘩することなくなじむようになります。

食材とワインの橋渡しをする調味料。この使い方1つでマリアージュも可能性が高大きく広がることがわかります。

また、マリアージュといっても色々な度合いがあります。

先生からは

「氷見のブリと日本のメルローを合わせたら最高にあいました。そのときマリーアントワネットなどが見えるようであった。」というイメージが湧いたそうです。こういったたまにしか起こらない究極のマリアージュも存在します。

 

一般的には、フレッシュな白ワインに生の魚介や野菜といった、けんかはしないけれども無難にお互いがおいしく頂ける合わせ方。
中には最悪な組み合わせもたまに存在する。例えば納豆と赤ワインはまるで雑巾のような風味がする、など。

なるべく合うような無難な組合せを、プロ、詳しい人から教わりつつ、合わない組合せを避けていく中で、最高の出会いが来るのを待つのが良さそうです。

 

 

疑問にも先生が丁寧に回答
参加者から「ペアリング」と「マリアージュ」の違いについての質問がありました。

結論から言うと意味に大きな違いはありません。ただ使っている人たちニュアンスが若干違います。
マリアージュはフランス語です。元来のワインの世界をリードしてきた人たちの感覚。青かびチーズと極甘口のワインや牡蠣と辛口白ワインのように、通例で言われている定番の組み合わせをマリアージュとすることが多いようです。

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一方ベアリングは英語。ワイン文化の発信や評論など、流通の中心にいたのはイギリス人で。現在も新しい考え方を発信しています。意味合いとして「ひとつの料理に一杯のワインをどう組み合わせて合わせるか」というのがペアリングの意味合い。若いシェフやソムリエたちが独自の組み合わせ方を模索する過程でよく使われるそうで、比較的新しい世代、考え方の人が使うことが多いようです。

 

実際の本編講座でも、講師と参加者の距離が近く、素朴な疑問もぶつけることが出来るのも魅力ではないでしょうか?

 

 

”本編の講師陣、その顔ぶれが凄い!”

5月30日からコースが始まり、レストランで食事を取りながらの講義と教室での座学半々で行われます。

ワイン編では最前線で造り手と関わり買い付けてくる、ワインのインポーターの講師、そしてソムリエコンクールで上位になった日本屈指のソムリエ石田さんのなど業界トップの講師陣がワインの楽しみを語ります。

 
また日本酒編では、日本酒学講師の資格も持ちきき酒師でもある漫才師コンビのにほんしゅや、イタリアンの巨匠アクアパッツァの日高シェフのトークショーや、せんきんの臼井さんのなど、錚々たる面々が講師として役立つ知識を披露してくれます。

(ワイン編の体験会は本サイトで改めて取材します。)
詳細や申込は、おいしいアカデミー公式HPをご覧下さい。

https://oishiiacademy.com/

 

最後までお読み頂きありがとうございました!

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