前編のセミナーに引き続き、後半は23社約70種類が一同に会した試飲会。
キャンティクラシコだけでこれだけの飲み比べられる機会はもちろん滅多にありません。私個人にとっても、ワインを仕事にする前から、最初に愛飲していたのがキャンティクラシコで、特段の思い入れがありますので、いつも以上に時間をかけ、多くの種類のコメントを掲載させて頂きます。
「前編 グランセレツィオーネセミナー」はこちら
総じて言えることは、想像以上に全体のレベルが高かったこと。正直あたり外れが多少あるかと思ったのですが、残念な味わいのものはほぼありませんでしたし、印象的なものだらけといって良いです。日本未輸入のものも多く、しかもイゾレエオレーナ、クエルチャベッラ、サンジュストアレンテンナーノ、ケステッロデイランポッラ、リベルナーノといった日本でもお馴染みのトップワイナリーが参加していなくてこれは、はっきり言って驚異的な層の厚さ。この価格で外れが少なく、内容充実。改めて、飲むべきです。
ほとんどがキャンティクラシコですが、数種類違うものもあります。銘柄の後ろに(非キャンクラ)と表記しておきました。また日本の輸入元が決まっていない生産者の後に(未輸入)と、今回特に印象が良かったものに★をつけております。
掲載順は前編と同じく、コムーネごとに。コムーネ(町村)は前編と同じく(北端地点で比べて北から)。コムーネの重要性については上記のリンクから前編をお読み下さい。
コムーネごとの自分のコメントを見返すと、不思議と村ごとのキャラクターが浮き彫りになるのが興味深いです(あえてこうです、とは今回は書きません。)
グレーヴェインキャンティGreve in Chianti
ラッダインキャンティRadda in Chianti
カステッリーナインキャンティCastellina in Chianti
ポッジボンシPoggibonsi
ガイオーレインキャンティGaiole in Chianti
カステルヌォーヴォ ベラルデンガ Castelnuovo Berardenga
>>グレーヴェインキャンティGreve in Chianti
ラモーレ ディ ラモーレ Lamole di Lamole
*キャンティクラシコリゼルヴァChianti Classico Riserva 2013
香りに特にローズマリーのような風味を感じます。細かいスパイス感があり、グリルの肉料理に合わせるのが良いでしょう。
テヌーテ ステファノ ファリーナ ファットリア レ ボッチェ Tenute Stefano Farina – Fattoria le Bocce (未輸入)★
*キャンティクラシコリゼルヴァChianti Classico Riserva 2013
30ヵ月大樽とバリック(小樽)で熟成させたものを合わせたもの
甘草、ハーブなどの風味がとても強い。茶みがかった暗い赤色、細かいスパイスや、熟した果実味広がり余韻が長い。
ランチオラ Lanciola(未輸入)
*キャンティクラシコ レ マッセディ グレーヴェChianti Classico le Masse di Greve 2014
(1870年からワイン造りするものの、近年ようやく自社瓶詰め。大樽中心。)
しっとりとした中に旨み、クラシカルな風味、こなれて酸と共に中心がしっかりとしている。かなり酵母の風味と、漬物っぽい古びた香り。旨味、リキュールやしっとりとしたしなやかさ。複雑さを持った味わい。
*キャンティクラシコグランセレツィオーネ レ マッセディ グレーヴェ Chianti Classico Gran Selezione le Masse di Greve 2011
細かく小さい酸があり繊細。スムースで懐かしい風味。安心感があるしっとりとした味わい。
>>ラッダインキャンティRadda in Chianti
カステッロディラッダ Castello di Radda
*キャンティクラシコChianti Classico 2015
丸い果実に甘み、酸が綺麗で艶やかしかしおとなしく、アフターにタンニンがやや残るが、それでバランスが取れている
*キャンティクラシコリゼルヴァChianti Classico Riserva 2013
リキュール香があり、丸く甘みがちチャーミングな酸、エキスが強く余韻まで続く。タンニンは控えめです。
カステルベッキ Castelvecchi(未輸入)★
*キャンティクラシコリゼルヴァ ロドライオ Chianti Classico Riserva Lodoraio 2012
華やかでよく開いた、ゴージャスな香り。スパイスなどメリハリのある風味。ロースト感があり香ばしい味わい。細かく赤い果実味がある。酸はそれほど目立たず、細やかにちりばめられている
*キャンティクラシコグランセレツィオーネ マドンニーノ デッレ ピエーヴェ Chianti Classico Gran Selezione Madonnino delle Pieve 2012
赤い花のような果実のブーケ、華やかで広がりがあるアロマ。味わいストレートでわかりやすいが、しなやかで味わいが細かい。余韻にかけてハーブのようなニュアンスも。
>>カステッリーナインキャンティCastellina in Chianti
ロッカデッレマチエ Rocca delle Macie★
*キャンティクラシコテヌータサンタルフォンソ Chianti Classico Tenuta Sant’Alfonso 2015
(大樽熟成したで単一畑のもの)
ドライでロースト感があり、ハーブや甘草のようなニュアンスが入る。味わいも桑の実、ドライハーブなど穏やかで細かい。
*キャンティクラシコリゼルヴァ ファミリア ツィンガレッリ Chianti Classico Riserva Famiglia Zingarelli 2013
上記とニュアンスは似ているが酸が丸みをおび、果実味など全体的に寝れている。舌触りも若干まろやかさを出しつつ、ボディーのインパクトはしっかりある。
カステッロ ラ レッチア Castello la Leccia★
*キャンティクラシコ Chianti Classico 2014
細かいリキュールやドライフルーツのような細やかな味わい。酸がたち、明るく開いている。余韻にかけてスモークやスパイス、アルコールのボリュームなどが出てくる。
*キャンティクラシコグランセレツィオーネブルッチアーニャ Chianti Classico Gran Selezione Bruciagna 2013
酸は鮮やかでドライ、その上に旨味が増してくる。引き締まったボディで旨みを感じる。
ピエマッジョ Piemaggio(未輸入)★
*キャンティクラシコ イル マッジョ Chianti Classico il Maggio 2007
(セカンドワインのバックヴィンテージ)
丸く甘みがあり、干した杏甘草などの風味が若干。熟成由来の温かみ、ゆったり感があり単体でゆっくりと飲みたい完成度の高いワイン。
*キャンティクラシコ レ フィオライエ Chianti Classico le Fioraie 2012
フローラルでリキュールの様な風味が強い。酸、旨味が乗っています。タンニンこが後半に出て来て細やか、ドライでアフターは複雑。骨格があり本格派の味わい。
*キャンティクラシコリゼルヴァ レ フィオライエ Chianti Classico Riserva le Fioraie 2010
緻密でこなれた果実味。口当たり丸く、甘い。旨み、後半にタンニン強く残る。
>>ポッジボンシPoggibonsi
チンチアーノ Cinciano (未輸入)★
*キャンティクラシコChianti Classico 2015
(畑ごとに醸造してそののちアッサンブラージュしたもの。)
甘いリキュール感がしっとりと広がり、練れたうまみがあります。暖かみ、風味の広がりがあります。タンニンは余韻に若干残ります。
*グランセレツィオーネChianti Classico Gran Selezione 2013
桑の実など木の実のニュアンス。香りはしっとりとして豊か、丸く熟したうまみを感じます。
*キャンティクラシコリゼルヴァChianti Classico Riserva 2013
樽香が強めでスモーキーな風味。まだ還元ぽく閉じている状態。熟成能力はありそうです。
オルマンニ Ormanni★
(キャンティの地を知り尽くし、畑ごとのサンジョヴェーゼの違いもブラインドで言い当てたほどの天才として知られたジュリオ・ガンベッリ氏の後継者ロッコ・ジョルジョ氏が来日に伴い、自らワインを解説。ダンディーですが、明晰な分析力と内に秘めた情熱がひしひしと伝わってきます。)
*キャンティクラシコリゼルヴァ ボッロデルディアボロChianti Classico Riserva Borro del Diavolo 2013
アロマが細かく豊かな味わい深い。ハーブのニュアンスが出るもののごく控えめ。細やかで広がりがあり、ゆったりとした旨みがある。
*カナイオーロ Canaiolo (非キャンクラ)
(樹齢50年のもの2,000本のみ。今後増えても5000本程度。やってみたらこんなにうまくいくとは思っていなかった、とロッコ氏自身も驚いた傑作。サンジョヴェーゼ自体入っていません)
意外とカナイオーロ固有の黒っぽさが少なく、チャーミングな口当たりにリキュールぽさが入る。華やかで軽妙ながら全体的にバランスがとれておりもたれない。
*ユリウス Julius (非キャンクラ)
(もちろんジュリオ・ガンベッリ氏=Giulioに対するオマージュのネーミング。メルロ、シラーブレンドのスーパータスカンスタイル。)
穏やかで元気なワインというよりは、ボルドーのサンジュリアン的。ややドライでバランスが取れており、伸び華やかさ、適度に引き締まり、甘みが散りばめられている。
>>ガイオーレインキャンティGaiole in Chianti
バローネリカーゾリBarone Ricasoli
*キャンティクラシコChianti Classico 2014
ドライで桑の実など乾いた木の実の風味。赤みに黒がさしたような印象。余韻も特にドライでボリュームをしっかりもちつつも引き締まっている
*キャンティクラシコリゼルヴァ Chianti Classico Riserva 2012
丸く、クラシカルで練れた果実味を感じます。酸は細かく香りは開いていて複雑。厚みを感じます
ロッカディモンテグロッシ Rocca di MonteGrossi
*キャンティクラシコ Chianti Classico 2014
酸はっきり。赤い果実の風味クールでドライ。ザクロ、アンズのような余韻。わずかに鉄っぽさや細くて硬めの酒質を感じます。
>>カステルヌォーヴォ ベラルデンガ Castelnuovo Berardenga
ファットリア ディ ルッピアーノ Fattoria di Ruppiano
(自社瓶詰を始めたばかりで今年から輸入されたもの。)
*キャンティクラシコChianti Classico 2015
ロースト、リキュールの風味がが強めで、まだ若い。落ち着かせればうまみが開いてくる可能性あり。甘草の風味とやや青みを感じます。
*セラチュウス Selachius (非キャンクラ)
サンジョヴェーゼとカベルネ・ソーヴィニヨン 石灰の多い海洋性の土壌象徴するサメのヒレの画が入るラベル
干しぶどうにリキュール感が少し入り、酸、タンニンが細かく、ふくらみがありボリュームがある王道のスーパータスカン。果実味つややかで飲みやすい。
ボルゴスコペートBorgo Scopeto 2015
*キャンティクラシコChianti Classico 2015
熟して丸い細く練れた酸を感じる。暑かった2015年由来かもしれませんが、全体的に果実味が乗っていてふくよか。
*キャンティクラシコリゼルヴァミッシアーノ Chianti Classico Riserva Misciano 2012
ドライフルーツや木の実等が細かく入りまくしっとり。余韻にはリキュール系の熟した甘い風味。アルコール感の強いまたはボリュームがあるワインが苦手な人にもお勧めです。
ポッジョボネッリ Poggio Bonelli★
*キャンティクラシコリゼルヴァChianti Classico Riserva 2013
香りはローストやシガーっぽいニュアンス。乾いた酸のアタックがあり、味にも樽が出ているが、リキュール、動物っぽさが出てワイルドな風味。固い肉質のジビエなどにも合わせられそう。
ビンディ セルガルディBindi Sergardi
*キャンティクラシコ ラ ギルランダChianti Classico la Ghirlanda 2015
甘く丸い果実味にリキュール感があり、スムース。飲みやすさ口当たりの良さがる。
*キャンティクラシコリゼルヴァカリドニア Chianti Classico Riserva Calidonia 2014
クラシカルで酵母の風味、良い意味で漬物っぽい旨味がある。酸が細かく、全体に落ち着いて練れたうまみがある。
スケッジオッラ Scheggiolla(未輸入)★
*キャンティクラシコリゼルヴァ Chianti Classico Riserva 2012
還元香と古びた風味がある。細かく旨みある。少し懐かしい、田舎くさい風味、旨味が広がり、安心感懐かしさがある。そこから余韻のリキュールようなエキスの甘みへ変化。
気合を入れて長くなってしまいましたが、最後までお読み頂きありがとうございました!
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