産地イタリア編

「まずは、フランスと同じ、3等分で理解!」

前回のフランスに引き続き、これまた理解するのが厄介な「イタリア」というワイン産地。

地場品種が多く、それがこの国を煩雑なワイン産地に変えてしまっています。

前回産地「フランス編」はこちら

そこで頭の整理の為にも、前回のフランスと同様に、イタリアを三等分します。長いイタリアを横に2つ線を入れるだけ。

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このような色を塗ったのも意味があります。チェックの柄の大きさが違いますね。このマス目一つ一つが、「ぶどうの品種」だと思ってください。(色そのものは意味はないです。)

そうつまり北に行けば行くほど種類が少なく、覚えることが少なく、南に行けば行くほど複雑になるのです。

 

 

「北・中央・南、3つに割った各産地のざっくり特徴」

長靴の形といっても、大半が大陸の中に組み込まれている付け根の北イタリアは、後で書く「南北3つに分けた理由」の説明通り、歴史的にフランス・オーストリアの影響が強いため、国際品種がたくさん入って来て、ワインも近代化、整理されていった経緯があります。

国際競争力もある分、値段が高い傾向もあります。

 

その影響が、ある程度緩やかなのが中央イタリア。地場品種は残っていますが、国際品種も多く、2つが共存している産地です。かつては、イタリアワインの「象徴」ともされて、著名な銘柄も多いです。ただそれらのほとんどは、圧倒的に赤ワインです。

 

南イタリアはと言うと、(ギリシャ以外の)ヨーロッパでは最初に葡萄がギリシャから伝わってきた、伝統的な産地に関わらず、ヨーロッパ本土から隔絶されているため、産地が昔のまま「ガラパゴス化」している部分があります。その分手頃な値段で手に入る、隠れた逸品もあります。

よく言えばバラエティー豊かで伝統的なのですが、品種はたくさんあります。

 

ちなみに南にいけば行くほどアルコール度が高くて濃い味のワインが出来るとされていましたが、それはもう古い話。後で出てきます「ネレッロマスカレーゼ」などは透明感があって華やか、今風なのです!

 

イタリアには20の州がありますので、州ごとに南北中部に分けたのがこちら。境目の州がどちらに入るという議論はいつもありますが、ここでは省略します。

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そして産地区分として、

北部は前回のフランスの”A”と”B”で説明できるのでそのまま

中部は新しい品種も出てくるので、フランス編にない区分で”D”

南部は新しい品種だらけで、同じく”E”とします。

 

「南北3つに分けた理由」(結論を急ぎたい人は読み飛ばして下さい。)

この分け方は大枠においては一般的で、そもそもイタリアにはローマ帝国が滅んで以来、近世1861年に至るまで、一つの統一した国がなかったことに起因します。

つまり日本の戦国時代の状態プラス、一部外国に占領されていた時代が長いのです。
南イタリアは実質スペイン等外国領、北東はオーストリア領、北西はフランス領、北中部に小国乱立といった具合でした。

それ故今でもイタリアという国は「統一感」がありません。現在でも経済、文化圏もこの3つで大きく分かれるとされています。スペイン・カタルーニャ程ではありませんが北部だけで独立という思想があったり、南北格差は埋まらず、線引きは根深く残っているのです。

 

「まず覚えて使える品種は南北中央x3種のみ!各産地の品種分布」

そしてフランス編で覚えたことが地続きで使えます。おさらいで今一度表示しましょう。

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北西部(ピエモンテ州、ロンバルディア州など)はブルゴーニュに近いこともあり、ピノ系の品種がメイン。北東部はオーストリアの影響で、カベルネ系もありますがミックスされてAとBが混在します。

(このようにAとBが混在する産地は、実は世界的に見ても珍しいのです。)

上記をふまえてのイタリアの品種分布はざっくりこうなります。

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新たに覚えた方が良い品種は各地で敢えて3つだけ。

 

北西部ピエモンテ州でバローロほか高級ワインを作る「ネッピーオーロNebbiolo」と「バルベーラBarbera」いう品種です。「ネッピーオーロ」は「ピノノワール」と親戚間関係にあると言われているので、それで関連付けましょう。その証拠に「ネッビオーロ」を植えているバローロなどの生産者は、セットで栽培しているのはほとんど「シャルドネ」です。フランチャコルタと呼ばれるシャンパーニュの対抗馬のスパークリング産地も同様にBのピノ系です。

北東部の白は同じくピノ系の「ピノグリージョPinot Grigio」という(仏語は「ピノグリ」)という品種が主力として広く栽培されていますので、北部はまず新しい品種は、この3つだけ覚えておけばよいでしょう。

 

一方中部は西側の海沿いはボルドーと同じカベルネ系が強く、特に「カベルネフラン」と「メルロ」に適しているといわれています。

中世の貴族文化以来の伝統的な産地でもある中部の中央(D’)と東部(D’’)で覚えておくと良い品種は、キャンティクラシコというワインなどで広く栽培されている「サンジョヴェーゼSangiovese(=D’)」、手ごろなワインも産む「モンテプルチァーノMontepulciano(=D’’)」、そしてその相棒の白ぶどうで広い地域で栽培されている「トッレビアーノ(=D’’)」です。

 

一方南部はあまりにも品種が多いので、絞り込みが難しいのですが、代表的なところでは、南部で唯一高級ワインの原料となりうる「アリアニコAglianico(=E’)」、シチリア州で今注目されている「ネレッロマスカレーゼNerello Mascalese(=E’’)」、そして日本の食卓にも合う白ワイン「フィアノFiano(=E’)」です。

何せ南は品種が多いので、他の例を挙げておくと赤は「ネロディトロイアNero di Troia」「ネロダーヴォラNero d’Avora」白は「グレコGreco」「インツォリアInzolia」「カタラットCatarratto」等など。最初から覚えようとせず、飲んだものや興味のあるものから、少しずつ広げましょう。

 

資料 各区分を構成する州名

イタリア北部

ヴァッレ・ダオスタ、ピエモンテ、リグーリア、ロンバルディア、トレンティーノ・アルト・アディジェ、ヴェネト、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア

 

イタリア中部

エミリア・ロマーニャ、トスカーナ、ウンブリア、マルケ、ラツィオ、アブルッツォ

 

イタリア南部

モリーゼ、カンパーニャ、プーリア、バジリカータ、カラブリア、シチリア、サルデーニャ

 

 

まとめ

品種の数とタイプ  価格       知っておくと良い黒葡萄   白葡萄

北部  少ない(国際)     /   高い  / ネッピーオーロ バルベーラ /   ピノグリージョ

中部  少なめ(国際+地場) / 高い~手頃 / サンジョヴェーゼ モンテプルチァーノ /  トッレビアーノ

南部  多い(地場)  /  安め /  ネレッロマスカレーゼ アリアニコ / フィアノ

 

高評価の国際品種を北部・中部から選ぶのか、聞いたことない品種ながら隠れたお手頃品を中南部から選ぶのか、そこはお好み次第です。うまく使い分けられるとワイン選びの効率がぐっと上がりますよ。

 

そして次回の産地講座はスペイン!ここも、面白いくらい、フランス、イタリアと同じように簡単に分けることが出来ます!!お楽しみに!!

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