今後酒・ワインのレヴューは2種以上の比較でより判りやすくお伝えします。
リニューアル初回はマスカットベイリーAを主体とした日本ワインの飲み比べ。
グレイス茅ヶ岳赤(中央葡萄酒)2016
グレイスの茅ヶ岳はカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロを補助品種として使うこともあり、ベイリーAを使うワインとしては大変厚みがあります。
色、味わいともに濃密でスパイシー、ベリー風味豊かで滑らか、ボディは重すぎず適度です。この充実感は日本ワインの範疇を超え、同価格帯でどの国のものにも遜色ない複雑さ、余韻の豊かさも持っています。ベイリーA特有のキャンディー香や蜂蜜香など少し甘い風味が、味には大きく影響せずうまく溶け込んでいます。
味が練れていて、タンニンも気にならず、若いうちから楽しめる一本です。とてもバランスに優れているので、汎用性が高いワインといえます。
(ちなみにMuscat Bailey Aが英名のこの品種、良くBerryと混同されるので、ここではあえてベイリーAと表記しています。)
都農マスカットベイリーA(都農ワイン)2016
一方都農ワインは、色は対照的に非常に薄く、青みがかった中で透明感、華やかさ、ロゼに近いようなこの上ない軽い飲み心地などを楽しめます。後口の酸が若干後を引き、しっかりしているので、それを活かせる食事に相性の良さを見出せます。しっかりした味付けよりは、ややあっさりした料理、特に青みのある野菜、噛み応えのあるものとの組み合わせは良いです。
ちなみにこの謹賀新年ラベル、正月に買って1年置いておくつもりが今回の飲み比べで開けたので、自宅半年熟成だったわけですが、これだけ酸がしっかりと残っているという事は、2,3年なら持たせられる可能性が高いです。
以下料理とそれぞれのワインの相性
料理名 | グレイス茅ヶ岳 | 都農MBA | 料理名 | グレイス茅ヶ岳 | 都農MBA |
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刺身こんにゃく | × | ○ | セロリとアボカドのサラダ | △ | ◎ |
鶏と夏野菜のバルサミコ炒め | ◎ | × | 麻婆豆腐 | ○ | △ |
相性は ◎>○>△>× の4段階評価
おまけのおすすめ
今年飲んだ中では新潟の「レスカルゴ マスカットベーリーA 聖籠」も面白いです。都農の様に淡いワインですがまた別物で、余韻がピノノワールのように華やかで鼻腔をくすぐり、他にない印象があります。写真が手元にないのが申し訳ないですが、今度追加します。
最後に宣伝じみてしまいますが、今回ご紹介したグレイス茅ヶ岳含む吉良セレクト日本ワイン6本セットが9月上旬から伊勢丹通販で販売します。お楽しみに!