こんにちは、丸本酒造の6代目、丸本と申します。
今日はお酒の値段を決める、最も重要な要素、つまり原料の酒米の値段についてです。
なんとなく、「食べてるお米よりも、溶かして訳分からなくなる加工品の原料なんて、安いんじゃないの。」 そう思ってるあなた、ちょっと待ってください。
スーパーでは白米10kg入り4000円ぐらいで売られていますが、あれは業者流通価格だと玄米60kg約12000円です。そして酒米の「山田錦」や「雄町」はいくらかと言うと、60kg約24000円もします。
このような「酒造好適米」と言われる分野は食米より圧倒的に高いのです。理由は栽培方法の困難さが主たるものですが、(他にもいろいろあります)。さらに、、、同じ品種でも「等級」により価格が異なり、山田錦であれば特上27600円 特等26050円 一等24200円 二等20400円 三等18600円(兵庫特A,育成費含む,H28産)と、ずいぶん開きがあります。
どう考えても特上や特等で造ったお酒はいっそう美味しくなりそうですね。しかし、この「等級」を決める基準は、見た目だけです。まず粒の大きさで、大きいほど宜しい。さらに「心白」と言う米の中心の白い部分のサイズ。ほかに茶米や青米など不適格な米の混入がないか、です。
つまり、お米の成分分析はされません。しかしながら溶かしてお酒にするからこそ、中身が大切だと思うのです。