岡山県浅口市の丸本酒造の6代目当主、丸本 仁一郎氏による新連載です。

実際に酒造りに携わるプロによる話で、日本酒の様々な疑問が明快になります。
特に、一般的な酒蔵と違い、一部の原料米の栽培も行っているので、お米のお話も必見です。

その1:なぜ、酒蔵はお米を削るのか?

はじめまして、今回から月1回の連載を担当します、丸本酒造の6代目、丸本と申します。

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今日は酒造りに欠かせない工程、「米を削る」事についての話です。

みなさんが普通にご飯を食べる時、その白米はどのくらい玄米を精米しているのでしょう。

だいたい8~9%削り落とします。では、日本酒の吟醸酒はどのくらい精米しているかご存知ですか?

なんと40%削り落とし、残るのはたった60%。この残った数値を精米歩合と言います。

大吟醸などでは精米歩合50%。物によっては35%や28%など、本当にお米の芯だけにしてしまいます。

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こんなに削るのは”狂気の沙汰”と言われてもおかしくありません。現に外国の方などは、「白いお米をなぜ削って捨てるのか意味不明」と捉えられる事もあります。
さて酒通のあなたなら、削るほど味が綺麗に、あっさりとしていくのをご存知ですね。そう、削る価値はもちろんありです。玄米の周囲には脂肪分が集中しており、少し削るだけで無くなります。

しかしタンパク質は中心に進むほど含有率は少なくなりますが、それほど傾斜が強くありません。例えば、玄米の時7.5%あった含有率も50%まで削ったのに4%もあったりします。つまり、タンパク質が少ない原料ほど、概ね味が綺麗になっていくので、せっせとお米を削るのです。

次回は「酒米」の値段についてお話します。

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