池袋の東口西口の10店舗をめぐり、日本酒の飲み歩き、食べ歩きができるイベント、「第7回酒ふくろう祭」に参加してまいりました。
このイベントでは事前に入場料2000円払い(当日券2500)、各店舗に2、3の蔵がそれぞれ2、3種類ずつ、お酒を提供。お料理も各店舗数種類それぞれを300円から500円程度でキャッシュ払い。全国あらゆる酒蔵のお酒を楽しめる良い機会、私は15種類試すことができました。また店舗によっては座席が用意されており、比較的ゆっくりとお酒と料理を楽しむこともできました。
おつまみは総じておいしいものが多かったのですが、東口「吟醸料理そばふくろう」さんのそばとローストポークが飛び抜けて美味しく絶品で、他の参加者の方からも「このそば美味しいね」の声が複数もれていました。
さて15種類のコメントをそれぞれ手短に。
<出羽桜>純米吟醸 雄町:
フルーティーな口当たり、雄町らしい奥行き、力強く辛さ、奥行きがあり、しっかりとした酒質があります。その上つやとほのかな甘旨みある美酒です。合わせられる料理は多いでしょうが、脂ののった肴が良さそうです。
<雅山流>影の伝説 純米吟醸 無濾過 生原酒:(写真一番左)
旨み、香ばしさ、華やかできれいなお酒。すいすい飲めて、懐深く、芋煮にもしっかりと合わせることができます。
<紀土>あがら 山廃 生原酒:
コメの旨みがダイレクトで旨み辛みあり。合わないと思っていたピクルスも、そこそこは合わせることができます。芯ガしっかりして細やかな旨みもあります。暖かみがあるので、冷菜よりは温菜の方が合いそうです。
<伊予賀儀屋>無濾過 純米生原酒 しずく媛 空ラベル:
賀儀屋らしい優しいとろみ、適度な強さとコクがある。コメの風味と立体感があります。飲み応えはあるものの、ほっこり感のある中辛口です。酸は強くは感じませんが、全体をうまくまとめています。
<三好>純米吟醸 ブラック:
さらりとして細やかな旨み、透明感。奥行きとまろやかさがあり、しっとりとして、少し奥に辛味があります。
<町田酒造> 特別純米 直汲み55:
とてもフルーティーで、さらりと細やかな味わい。後でふわりとアルコール感が軽く感じられます。ゆるくさっぱりとした後口。味が細やかで、ちびちび飲んで、杯がすすみます。
<仙禽>クラシック 雄町 ヌーヴォー2017:
コンソメ(洋風の煮込み)のような旨み成分やハーブの香がして、純米吟醸様の華やかさがあります。こしはしっかり下から支え、深みと幅を持ったお酒。アクや噛み応えがあるもの、薬味などとも合いそうです。
<廣戸川>特別純米:
少し乳酸香、さらりとして、奥にとろみ、後口軽いキレがあり、徐々に上がっていく端麗なお酒。脂を受け止めて流す、じわりとした旨みもあります。ローストポークにバッチリと合いました。
<一歩己>うすにごり:
後半メロンやマンゴーなどのアロマが感じられます。口当たりさらりとフルーティーながら、芯ガしっかりやや辛味があります。風味はスイカのような瑞々しい感じもあり、そばとは最高の組み合わせでした。
<会津中将>特別純米 うすにごり 生:
穏やかでフルーティーさ、辛味、苦味が緩やかに広がります。軽快で飲み疲れないお酒。夏にぴったりで、心地よいゆるさがあります。
<天吹>純米吟醸:
幅がありふっくらとし、適度な飲みごたえがあります。米の滋味が軽い苦味とともに広がります。かにみそと里芋のコロッケにとても合いましたし、甲殻類全体に広く合わせられそうです。
<萩の露>純米大吟醸:
大根や葉わさびのような少しつんとしたアロマ、すっきりとして舌にまったりとまとわりつきます。細やかながら辛味、まったりと絡みますので、ゼラチン(煮こごり)の様な料理に合いそうです。
<川中島幻舞>特別純米:
口当たりはしっとり、幅と力強さが後半にかけてももありながら、ぐっと伸びます。外側の輪郭はあるが、ゆったりゆるやか、力が抜ける親しみやすさがあります
<川中島幻舞>純米吟醸:
梨のような風味、さらりとして綺麗な酒質。口当たりは柔らかで、透明感は特筆すべきものがあります。淡いだし汁ですら合わせられそうな、細やかな味わいが特徴です。
最後に苦言を呈さなければなりません。事前に参加費2000円を払ってのイベントにも関わらず、11箇所中3箇所で混雑のため長時間(最低30分以上)入店待ち、又は入店できないとの案内がありました。座れる座席があったり、一時的に参加者が特定の店舗に偏るなどはあるかもしれませんが、このように入れないお店が複数あるのは納得がいかない方も多いでしょう。
同じ仕組みなら私なら次回以降は参加しませんし、このようなことを言わなければいけないこと自体、残念です。運営面は改善を期待します。