伊勢丹新宿店で開催中の「世界を旅するワイン展」、こちらは国産ワインのおすすめ5選です。輸入ワインも同様、私はこの催事の担当者ではないので、逆に自由に、中立の目、買い手側としてのお勧めを選ばせていただきます。
① 安曇野ワイナリーの「シャルドネ・シュルリー」:一般的にシャルドネは和・洋、樽熟・ステンレス問わず、ボリュームがあってグラマラスな酒質の品種、という印象もあるでしょう。しかしこの安曇野のシャルドネはいい意味で透明感、伸びがあり、引き締まった中に、みずみずしい果実感が現れる、バランスのとれた食中酒です。塩味の焼き鳥、モモ肉などには抜群の相性でしょうし、柚子胡椒のような調味料との相性も良さそうなので、焼き目をつけた魚、肉などに添えて、シンプルに召し上がる時や、牛タンにレモンなどにもオススメできそうです。
②塩山洋酒 「ザルツブルグブルグ・スペシャルブレンド」:このキュヴェは限定品でこの会場のみの販売だそうです。定番品のザルツブルグと比べると、やはりボリュームがありとろみを感じます。日本の甲州らしい、スモーク感が若干ありつつ、非常にリッチで活き活きとした印象も受ける進化版甲州といえるのではないでしょうか。こちらのワインには自社栽培のぶどうも使われているそうで、甲州好き、国産白好きにはぜひチェックして頂きたい一本です。
③神戸ワイナリー「ベネディクシオン」:上質な畑の選ばれたブドウを用いた、同社のフラッグシップ。それでいて、この価格で楽しめるのも嬉しいところです。私がワイナリーに訪問した時にその出来に一番驚いたワインでもあり、丸みがあり、まったりとリッチなところ、そして重すぎず洗練された印象を受けます。また濾過に近くの養鶏場の卵白が使われているというローカル感もこのワイナリーならではの魅力です(訪問当時)。関東ではまだまだ知られていないこのワイナリーの魅力。一度試してみていただきたい白です。
④奥出雲「シャルドネ」:このワイナリーの白ワインの出来には毎回驚かされます。ソーヴィニヨンブランも本催事で人気のようですが、まずは始めの一本としてこのシャルドネをお勧めします。バランスの取れた中程度のボリューム、広がりの中にミネラルがきちっと中心に筋が通り、飲み心地良くまた飲み飽きない、優れたバランス。食べながら飲んでいるとついつい一本なくなってしまいそうな、危険な魅力も伴います。
⑤最後はセイズファームの「カベルネソーヴィニョン」:魚屋さんからの派生でワイナリー業を営むという、変わったいきさつを持つワイナリー。白ワインのシャルドネや先日のピノノワールサミットでのピノの味も非常に良かったので、このカベルネ・ソーヴィニヨンも試す価値のあるます。クリーンでモダンな、普段ワインを飲まない方にも素直に受け入れられそうな、醸造スタイルの会社です。まだまだ流通量も少ないようなので、この機会にお買い求めになってみてはいかがでしょうか。
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