これはフレンチレストランCalie(キャリエ)の記事後半です。

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最後まで驚かされる料理、しかしまだまだ続きます。「田中農場の卵 ヤマト醤油味噌」。醤油味噌がカラメル、卵はプリン仕立てというわけです。甘さとほのかな塩味、口どけの良さは言うまでもありませんが、サプライズと味の充実をこれまで追求できると、もう驚くしかありません。

「和栗 ショコラ」のデザート、そして食後の選べるハーブティー or コーヒーへと続きます。

ワインのセレクトについても、もちろん素晴らしいものがあります。その中でもブルゴーニュのワインなどは、私の好み、職場のセレクトとかぶるところもあり、少しほっとして嬉しくもありました。

いただいたワインは、シャンパーニュ、エティエンヌ・カルサックのレシャペ・ベル・エクストラブリュット、アルザスのレネ・フライトのステインウェグ。両方、豊かな果実味。シャンパーニュの方はわずかにミネラルのエッジが効いた、リッチでいて飲み口も良い印象。ステインウェグはゴージャスでグラマラスです。

続いてハイディワイナリーの「相承、キュヴェ・メモリアル」。繊細で澄んでおり、甲州のような滋味深い旨味がありながら、ミネラルが豊富、透き通った透明感、華やかさが広がります。日本ワインもここまで来たのか、という完成度を否応なしに感じさせられました。

オッキ・ピンティの「シッカーニョ」。このワインも以前から興味がありましたが、飲んだことがなかったワイン。深みがあり、タンニンのざらつき酸味などはなく、落ち着いていて華やか、鮮やかな印象を受けます。これも食中酒として申し分ない出来と言えるでしょう。肉料理全般に広く奨められそうです。

このお店の高木シェフ・小林マネージャーは、お店の設計者、食材ワインを提供する生産者との絆を何よりも、大切に大切に考えられています。言葉にするのは簡単ですし、どこでもやっているのでは?という印象を持たれるかも知れません。しかし、お二人は各生産者を回り、食材の特性に精通し、それを紹介する、扱うことに誇りをもっておられます。「これだけのものがこの値段で食べられるのはなかなか無いはず」とシェフがおっしゃるのは、自分たちの実力に溺れる言葉ではなく、そういった食材、生産者との絆に絶対の自信があり、それこそが自分たちの「宝」だと思っておられるのでしょう。

 

「仲間、絆、宝箱、Calie (キャリエ)とは、フランス語の3つの言葉をつなげた造語です。」

ホームページにある通りか、私がここで興奮気味に書いた記事が本当か、3重奏の真偽は、是非お店で、あなたの舌、目で確かめてみてください。

文・写真:吉良 竜哉

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